写真:在本彌生 文:東海林美佳
REPORT
南アフリカ エコサファリツアー Vol.1
約5千万年前からほぼ当時の姿のまま生息するというサイ。だが、近年横行する密猟によって彼らは今、絶滅の危機に瀕しているという。今や野生動物保護のシンボル的存在となっているサイに会うために、南アフリカ、クルーガー国立公園を訪れた。
サイに会いに、クルーガーへ
成田から香港経由でヨハネスブルグまで約17時間。アフリカ、南半球というだけで遥か彼方の遠い国、という印象を持ってしまうが、一度飛行機に乗ってしまえば苦になるほどの距離ではないなと思った。この国を訪れるのはこれで2度目。前回はスポーツイベントの取材もあり、ポートエリザベスという海辺のリゾートでの滞在が主だったが、今回は南アフリカ最大の野生動物保護区、クルーガーへ直行だ。目的はひとつ。サイに会いにゆくのである。はるばるアフリカまで行って、豪華なホテルもグルメも素通りのピンポイントな旅。そんな話にふたつ返事で乗ってきてくれたのは、写真家の在本彌生さん。聞けばサイが大好きで、サイの写真を撮るためにインドの奥地まで行ったこともあるという。サイに呼ばれたかのような巡り合わせではないか。おかげで動物たちの野生の営みを情緒あふれる写真に収めてもらうことができた。
野生動物との遭遇を求めて、ゲームドライブ
ここ、クルーガーでのメインのアクティビティはゲームドライブ。サファリ仕様のレンジローバーに乗り込み、保護区内を縦横無尽に走りまわって野生動物を追う。どんな動物に遭遇するかは運次第。サイを見に来たからといって、サイが必ず姿を見せるとは限らない。ガイドの知識と経験、そして勘がモノを言う。今回私たちをガイドしてくれたのは、ウィル・ローソンさん。大自然の中で意義ある仕事をしたいと、イギリスから南アフリカにやってきたという。知識豊富で動物や植物の話をし出したら止まらない熱血ガイド。彼をサポートするのは先輩格でフィールド経験豊富なJPルロワさんだ。
大自然を舞台にした推理ゲーム
ドライブ中、探すべきものは動物の姿だけではない。足跡、糞、草や木の倒れ具合などを見て、どの動物がいつ、どっちへ向かったかを読む。さながら大自然を舞台にした推理ゲームだ。
「この大きな足跡はカバ。サイズはサイとほぼ同じだけど、指の数が違うんだ」
「地面に開いたこの穴はツチブタだ。ほら、こっちにしっぽの跡がある」
ウィルさんとJPさんはフィールドに残されている僅かな痕跡をどんどん読み解いていく。道中私たちはキリン、ゾウ、インパラ、シマウマ、カバといった動物たちに会うことができた。めったに見られないというチーターの食事シーン(インパラをガブリ!)を間近に見ることさえできた。しかし、サイにはまだ会えぬまま。このエリアには7頭が生息していることがわかっているのだが、彼らは一体どこにいるのだろう。
Vol. 2は7月下旬公開予定!お楽しみに。
INFORMATION
南アフリカへの旅の基本情報
ビザ: | 90日以内の観光なら不要、予防接種も不要。 |
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言葉: | 英語を含む11言語。英語はほとんどの場所で通じる。 |
お金: | 通貨はランド。1ランドは約9.5円(2013年6月現在) |
時差: | マイナス7時間。サマータイムなし。 |
気候: | 南半球のため日本とは季節が逆で、10月から3月が夏季。 乾燥していて昼と夜の気温差が大きい。 |
治安: | 全体的に以前よりかなり改善されており、動物保護区内や観光地は問題なし。 |
●南アフリカの観光情報はここでチェック!
南アフリカ政府観光局 www.south-africa.jp
●エコサファリツアーの情報はここでチェック!(英語サイト)
Eco Training www.ecotraining.co.za
ACCESS
●南アフリカ、クルーガーへのアクセス
南アフリカ航空の場合、成田から香港経由でヨハネスブルグまで約17時間。その後小型機に乗り換え、フットスプルートまで約1時間。そこからは、宿泊先の送迎車で移動となる。