写真・文:在本彌生
写真家・在本彌生さんがナビゲートする、南アフリカを巡る列車の旅。
最終回となる今回は、美しく雄大な自然につつまれながらプレトリアの街へと帰ります。
“憧れの地”を過ぎたあとも、人々のいきいきとした表情が迎えてくれる。
あらためて旅することへの発見に満ちた、最後の路へ。
REPORT
南アフリカ列車の旅 vol.03
人は突端に辿り着きたいという想いを何故持つのでしょう。
南アフリカに行ったらアフリカ大陸の果て、喜望峰に是非行ってみたい......
長年想像を膨らませていた憧れの場所に辿り着いた時の感激はひとしおでした。
日が傾く中雨が降り出したと思ったら大きな空に鮮やかな虹が!
この景色、確かに喜望峰の名にふさわしい。
人も動物も、大きな自然を前にすると心静まるのでしょうね。
野生のダチョウが海に夕日が沈むのをじっと見ていました。
旅の終が近づいていて、私もちょっと寂しい気分。
ヨハネスブルグまでの帰路、ウーセスター駅で
南アフリカの誇る寝台列車ブルートレインを待つ間、
駅のベンチで列車を待つおしゃれなご婦人をスナップ。
写真を撮らせて、と声をかけるとお化粧を整えてポーズをとってくれました。
彼女達のファッションはカラフルで少しクラシカルな所が素敵です。
美しい青い列車が駅に到着すると、こんな素敵な笑顔の乗務員がお出迎え。
ウッディなインテリアも豪華です。
車窓から見えてくる黄金色に染まったぶどう畑は目に眩しいほど。
喜望峰を臨んだ後にこの柔らかな風景に出会うと
南アフリカの自然のバリエーションの豊富さを改めて感じます。
車内の料理は美味、そして目にも美しく......
シェフはこんなにカッコいい女性でした。
素材を国内で吟味して丁寧にメニュー作りしていることが伝わってくる料理で、
彼女の仕事への情熱が感じられます。
日本食のことを沢山質問され料理談義で盛り上がりました。
旅の終わり、列車がヨハネスブルグ近郊のプレトリアに到着し、車掌さんが乗客をお見送りしてくれました。
ゆっくり走ると時間の使い方が変わり、そこで感じること、見えてくることも違ってくる、
時を噛みしめる旅のスタイルを南アフリカの列車の旅で発見することができました。
プレトリアの駅に降り立ったら都会っ子たちがお出迎え。
それにしてもこの笑顔、エネルギー、最高です。
旅の締めくくりを華やかにしてくれました。
PROFILE
在本彌生(ありもと・やよい)/外資系航空会社で乗務員として勤務中、乗客の勧めで写真と出合い、フォトグラファーに転身。魅力的な被写体を求め、世界中を飛び回り続けている。雑誌や広告、カタログなどで活躍中。yayoiarimoto.jp
南アフリカ観光局 www.south-africa.jp