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和紙から生まれた未来の新素材『WASHINOITO ―未来を着る、浜井弘治の和紙のプロダクト展』

“和紙糸”という素材を知っていますか? その名の通り、和紙からつくられる糸ですが、これが今、着るための新素材として注目を集めています。高温多湿の夏には水分を吸収し、乾燥する冬には水分を発散するという日本特有の風土に適した性質を持つ和紙は、古くから日本家屋に用いられ、私たちの暮らしを快適に保ってきました。和紙糸は、そんな和紙を1ミリから30ミリの幅でテープ状に切り、専用の撚糸機(ねんしき)で撚って仕上げられる糸。ファッションデザイナーの浜井弘治さんが広島県福山市の撚糸工場とともに約5年かけて開発した和紙のテキスタイルは、通常の綿素材と比べて10倍の吸水性と3分の1の軽さを持つのが特徴です。和紙糸のみでは縦に伸びにくいものの、ほかの繊維と混紡することで、特性を維持しつつも一層優れた伸縮性を実現。身に纏う、衣服のための素材として、さまざまな生地への応用が期待されています。

そんな和紙糸の未来の可能性を浜井さんとともに探るべく、三軒茶屋の「生活工房」にて『WASHINOITO ―未来を着る、浜井弘治の和紙のプロダクト展』が12月26日(土)から開催。和紙糸から開発されたポリエステル鹿の子やポリエステル天竺、デニム、ダンガリーシャツなどを使ったファッションアイテムが会場に並びます。さらに、漫画家・内田春菊さんのイラストレーションを交え、和紙が糸から布になるまでの過程やそのストーリーをわかりやすく展示。和紙から生まれたアイテムが持つ、独特のシャリッとした質感や特徴を知り、立体的に人の身体を包み込むプロダクトとして生まれ変わった和紙糸の新たな魅力に触れることができます。

また、浜井さん自らが講師となり和紙布からトートバッグをつくるワークショップが1月16日(土)に開催。そして、17日(日)に行なわれる公開インタビュー「和紙布の未来はあるのか?!」では、ファッション誌『WWD ジャパン』シニアエディター・松下久美さんをインタビュアーに迎え、浜井さんが開発に取り組んできた和紙糸が国際競争で苦境にある日本にどのように元気をもたらすのか、その可能性を浜井さんに伺います。どちらも先着順となりますので、参加ご希望の方は「生活工房」ホームページから申込みを!

従来の伝統的なイメージを覆し、未来に繋がる新素材として機能と美を備え誕生した和紙プロダクトの手触りを感じてください。

PROFILE

浜井弘治(はまい・こうじ)/山口県下関市生まれ。文化服装学院アパレルデザイン科卒業。第61回装苑賞受賞。株式会社三宅デザイン事務所に服飾デザイナーとして入社。インターナショナル・テキスタイルデザインコンテスト「ファッション振興財団賞」受賞を機に独立。工場の残った糸を回収した残糸シャツ、町工場とのコラボレーションによるブランディング、和紙デニム等和紙糸テキスタイル開発、衣料の最終地点/反毛MA-1、バクテリアシャツ、ガラ紡デニム等、ファッション業界の隙間を形にする「株式会社うるとらはまいデザイン事務所」を設立する。現在、デニム縫製産地の山口県に拠点を移動し活動する。

和紙から生まれた未来の新素材『WASHINOITO ―未来を着る、浜井弘治の和紙のプロダクト展』

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サルエル和紙デニム(生地生産:広島県福山市、縫製:山口県山口市)

INFORMATION

WASHINOITO ―未来を着る、浜井弘治の和紙のプロダクト展

会期: 2015年12月26日(土)〜2016年1月24日(日)9:00〜20:00
会場: 生活工房ギャラリー
(世田谷区太子堂4-1-1 キャロットタワー3F)
TEL: 03-5432-1543
入場料: 無料
WEB: setagaya-ldc.net/program/313
主催: (公財)せたがや文化財団 生活工房

※年末年始、12月29日(火)〜1月3日(日)は休館となります。