韓国の小さな村でつましく暮らす、結婚76年目の98歳のおじいさんと89歳のおばあさん。2014年秋、彼らの生活を追ったドキュメンタリー映画『あなた、その川を渡らないで』が韓国内で公開されると、夫婦の深い愛とユーモアあふれる日常に幅広い世代が共感。当初は小規模で上映されるも瞬く間に口コミが広がり、あっという間に800劇場まで拡大。観客動員数480万人、国内で10人に1人が観たことになる、韓国ドキュメンタリー映画史に残る大ヒット作となりました。本作がいよいよ7月30日（土）より公開に。

スクリーンに映し出されるのは、静かに流れる川と雄大な山の中で、四季の移り変わりを目一杯楽しむ夫婦の暮らし。春には野花を摘んで耳飾りに。夏は縁側で歌って踊り、秋には落ち葉のかけ合い。冬は子どものように雪合戦。ときどきおばあさんをからかうお茶目なおじいさんと、しっかりものだけど寂しがりやなおばあさんのやりとりはまるでおとぎ話のように愛らしく、観ていて思わず笑みがこぼれます。一方で、夫婦は幼い我が子6人を相次いで失うという辛い過去も経験。そして、日に日に増すおばあさんの膝の痛みやひどくなるおじいさんの咳。歳を重ねるごとに痛み悩む心を抱えながらも、2人はお互いを気遣い支え合って生涯を添い遂げます。現代では希有なほど一途で豊かな愛情は、観る者の心に深く響くでしょう。

本作が映画監督デビュー作となったチン・モヨン氏は、同作で第21回ロサンゼルス映画祭の最優秀ドキュメンタリー作品賞を受賞するほか、多くの国際映画祭で観客賞を受賞。韓国内に留まらず、世界中に愛と感動を届けました。待望の日本公開に先駆けて、7月26日（火）18時半から「なかのZERO 小ホール」で行われる特別試写会へ10組20名様をご招待します！