雑誌、広告、音楽媒体など、幅広い分野で活動を続ける写真家、若木信吾さん。自身の雑誌『youngtreepress』の編集発行人を務め、2010年には故郷・静岡県浜松市に写真集を専門に取り扱う書店「BOOK AND PRINTS」をオープンさせるほか、映画『星影のワルツ』や吉本ばななさんの原作を映画化した最新作『白河夜船』で監督と撮影を兼任するなど、近年ますます表現の場を広げています。そんな若木さんの写真展『表面』が2月10日（木）から代官山「ヒルサイドテラス」でスタート！

孫の視点から祖父を写した作品集『Takuji』や、アーティストたちの肖像を追った作品集『TIME AND PORTRAITS』、幼なじみを15年間続けた作品集『英ちゃん 弘ちゃん』など、これまで発表してきたシリーズで数多くの印象的なポートレートを残してきました。本展では自身初となる“モノ”にフォーカス。会場には、アートとしてのカラー写真の可能性を切り拓いた先駆者、ウィリアム・エグルストンのライフルや、アメリカの詩人、チャールズ・ブコウスキーのお墓、短編小説、ミニマリズムの名手として知られるレイモンド・カーヴァーのタイプライターなど、若木さんだからこそ切り撮ることのできたストーリーのあるモノの写真、約40点が展示されます。また、会期中、2月21日（日）14時からは、アートディレクターで作家の角田 純さんをゲストに迎えたトークイベントを開催予定。本展について若木さんは「目で見て、ものの醸し出す雰囲気を感じて、この形を生み出すことができた作家のインスピレーションを想像しながら撮影する。実際は表面を観察するにすぎないのだが、そこから想像しうるものをできるだけ写真に表せたらと思う」とコメント。

写真家として新たな側面を感じることのできる貴重な作品群を観に、是非、足を運んでみてください。