『川が私を受け入れてくれた The river embraced me』 より
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写真家、川内倫子の作品展『Someday for sure』が開催中
5月20日(金)から作品展『The rain of blessing』がスタート
国内外を問わず活躍をする写真家、川内倫子。柔らかな色彩と光に包まれ、透明感あふれるその写真は、一方で、リアリスティックに瞬間を捉える芯の強さを持ち合わせています。今年1月、初めて九州を舞台に行われた、初期代表作から最新作までを振り返る大規模個展「川が私を受け入れてくれた」。その展覧会カタログとして制作された最新作品集『川が私を受け入れてくれた』(torch press)は、熊本市民から集めたエピソードをもとに県内約40箇所へ赴き撮り下ろした、本展にて初公開の作品群をまとめ上げた1冊。“誰かの記憶”を切り撮ることは、写真家の記憶となり、さらにそれを受け止める私たちの記憶へと繋がります。瞬く光を吸収する海、どこまでも広がる新緑の大地、人々のエネルギーに満ちた熊本の祭。見る人の記憶の扉をそっと開くような清々しい写真は、震災以前の熊本の姿をポジティブに切り撮るだけでなく、熊本・阿蘇の野焼きを中心にまとめた『あめつち』で新境地を開き、「いまを生きる」ことを表現し続ける川内さんの次なる可能性に触れることができます。
▲ Rinko Kawauchi Photo Exhibition “Someday for sure”より
初夏を迎えた、5月。彼女の視線の先には、一体どんな世界が広がっているのでしょうか。現在、山梨の「ギャラリートラックス」で開催されている作品展『Someday for sure』は、川内さんが生まれた滋賀が舞台。滋賀の景色と、祖母との小さなストーリーを展示しています。そして、5月20日(金)からは、100点余りの写真群から近年の軌跡を辿る作品展『The rain of blessing』が東京の「Gallery 916」でスタート。
▲ Rinko Kawauchi Photo Exhibition “The rain of blessing”より
本展では、熊本市現代美術館で発表した「川が私を受け入れてくれた」をはじめ、昨年ウィーンの美術館「KUNST HAUS WIEN」での個展のために撮り下ろした国内未発表作品「Search for the sun」、さらに未発表の最新作を初期作品と併せて展示します。また、「Gallery 916」に併設されたスペース「Gallery 916 small」にて、新作の映像上映も行われる予定。この機会に、是非、川内さんの作品の数々をご覧ください。
INFORMATION
川が私を受け入れてくれた The river embraced me
著者:川内倫子 ¥2,800|税抜(torch press)
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川内倫子(かわうち・りんこ)/1972年滋賀生まれ。2002年写真集『うたたね』『花火』が第27回木村伊兵衛写真賞を受賞。2005年個展「AILA + Cui Cui + the eyes, the ears.」(カルティエ財団美術館)開催。カルティエ財団美術館との共同出版で写真集『Cui Cui』を日仏同時出版(日本版:フォイル)。2009年米ICP(International Center of Photography)の第25回インフィニティ・アワード芸術部門受賞。2011年に米「Aperture」との共同出版で写真集『Illuminance』(日本版:フォイル)を世界5カ国同時出版。2012年個展「照度 あめつち 影を見る」(東京都写真美術館)。2013年米「Aperture」との共同出版で写真集『あめつち』(日本版:青幻舎)を世界3カ国同時出版。平成24年度(第63回)芸術選奨新人賞受賞。2014年テリ・ワイフェンバックとの共著写真集『Gift』出版。2015年イケムラケイコとの共著『きらきら』出版、個展「Illuminance」(クンストハウス・ウィーン)。