人物撮影：千葉亜津子

「忙しくても、きれいでいたい」「敏感肌でも使えるものが欲しい」など、現代の女性が抱える悩みはさまざま。肌にやさしいだけでなく、仕上がりの美しさも追求したミネラルコスメブランド〈SUSAN POSNICK（スーザンポスニック）〉 は、そんな悩みに応えてくれる、高品質でありながらシンプルな使い方で簡単にきれいになれるアイテムが充実しています。今回は、そ の〈SUSAN POSNICK〉の開発者である、スーザン・ポスニックさんにインタビュー。新しくリニューアルするミネラルパウダーファンデーション「カラーフロー」や新製品のことはもちろん、ブランド立ち上げのきっかけや女性の美しさなどについてもお話を伺いました。

ーーもともとは、ハリウッドでメイクアップアーティストとして活躍されていたと伺いましたが、ブランドを立ち上げようと思ったきっかけを教えてください。

20年以上、ハリウッドでメイクアップアーティストとして、女優やモデル、アーティストなどのメイクを担当していました。でも、ある時私自身の顔の皮膚が んが発覚して。それをきっかけに、肌にやさしいメイクアイテムを探していて、出合ったのが、ミネラルファンデーションだったんです。でも、当時はミネラル ファンデーションがまだあまり普及していなかったのと、質のいいものがなかなかなかったこともあって、だったら自分で作ろうと思ったんです。

ーーミネラルファンデーションの魅力はどんなところですか？

市販の日焼け止めが肌に合わない私には、日焼け止めとファンデーション、両方の役割を果たしてくれるミネラルファンデーションは、とても理想的でした。ブラシで、顔にくるくるとなでるようにつけるだけで、ベースメイクが完了するのも魅力のひとつです。「カラーフロー」は、SPF26でしっかり肌を守ってく れるし、紫外線吸収剤不使用なので、敏感肌やトラブル肌にもおすすめですよ。

ーーそれまではメイクアイテムを使う側だったのが、作る側へ転身されたことで、苦労はありましたか？

メイクアップアーティストから、化粧品ブランドのオーナーへの転身は、大きな変化だったので、やはり苦労はたくさんありましたね。また、商品ができてからも、最初は宣伝やマーケティングなど、すべて一人でやっていたので、苦労の連続でした。

ーー開発の面で苦労したことはありますか？

肌にやさしいだけでなく、きれいに仕上がって、乾燥せずに使い心地の良いものをと思っても、なかなか理想的なものが作れず、苦戦しました。製造の面で相談 していた科学者に、ミネラルだけでなくビタミンA、Eを配合したいと相談すると、「何を言っているんだ」と最初は全く相手にしてくれなくて。でも、必ずいいものができると信じて説得したら、最後にはわかってもらえて、納得のいくものを作ることができました。

ーービタミンA、Eを配合することには、どんな理由があるのですか？

ミネラルファンデーションは、ミネラルだけだと、どうしても乾燥しがちなんですよね。でも、ビタミンA、Eを配合することで、しっとり肌に密着して、肌の 乾燥も防いでくれるんです。「カラーフロー」の素晴らしいところは、つけたてより5分後の方がきれいなこと。肌にのせたパウダーが、その人の皮脂となじんで、よりフィットするようにできているんです。それが、ビタミンA、Eのおかげなんですよ。

ーー成分や仕上がりのよさはもちろん、「カラーフロー」は容器もユニークですよね。今回リニューアルして、さらに使いやすくなったそうですね。
忙しい朝でも、簡単にメイクできるように、ブラシとパウダー容器が一体化になっています。自分自身も忙しくて、なんとか簡単にできないかと、試行錯誤してできた容器です。リニューアルして、より使いやすくなりましたよ。自分の中で、ほぼパーフェクトな状態に出来上がりました。手の甲にとんとんと当てるとパ ウダーがブラシに流れる仕組みになっていて、本体を回してパウダーの量を調節できます。全体のサイズも小さくなって、ポーチの中でもかさばらず、持ち運びにもより便利ですよ。外出先でも、気づいたらいつでもさっと塗り直せます。

ーー詰め替え用レフィルがあるのも、うれしいですね。

リニューアルして、詰め替え式からカートリッジ式にしたことで、詰め替える手間が省けました。キメ細かいパウダーなので、詰め替えの際に飛び散ってしまうというトラブルも起きなくなりましたね。

ーーリニューアルをしてグレードアップしたブラシには、どんなこだわりがありますか？

実は、ずっとブラシをもっといいものにしたいと考えていたんです。納得いくブラシができるまで、5年かかりました。ブラシは、特許をとっていて、〈SUSAN POSNICK〉だけの特別なもの。4代に渡ってブラシを作っている職人が、ひとつひとつ手作業で作ってくれています。その美しい技術に惹かれてお願いしています。ヤギの足の内側の毛を使用していて、肌触りが抜群にいいんです。以前のものよりも、ボリュームもアップして、よりパウダーが肌にきれいにつくように改良されています。

ーー「カラーフロー」は、どんな方に使ってほしいですか？

幅広い年代の方に使ってほしいですね。日焼け止め効果があるし、パウダーも肌にいいものなので、日焼け止め感覚で使ってください。ミネラルパウダーは、毛穴をふさがないので、皮膚呼吸のさまたげにならないと言われているんですよ。私自身が、肌が弱くて市販の日焼け止めが使えないこともあって作った商品なので、同じように肌に悩みやトラブルがある方にぜひ試してほしい。敏感肌などの方が、これを使ってから、肌の調子がいいという声を聞くと、頑張って作ってよかったと思います。

ーーカラーリップ「リップエッセンシャル」も新色が発売されますよね。

いままでは、5色展開だったのが、新たに4色増えました。〈SUSAN POSNICK〉のリップは、世界中の街にちなんだカラーとネーミングなんです。例えば、新色の「サンタフェ」は、サンタフェのビーチの夕日をイメージしました。ナチュラルな色味に、ゴールドやブロンズのような輝きをプラスしているので、ツヤ感がきれいだし、普段使いに便利な色ですよ。あと、「リオ」はリオのカーニバルのイメージで、ベリー系の赤。訪れた街や場所からインスピレーションを受けて、カラーを決めることが多いです。日本も大好きな国のひとつなので、来年はぜひ東京という新色を出したいですね。

ーー容器や使用感にはどんなこだわりがありますか？
ポーチの中で、口紅のキャップがはずれてみつからないという経験ありませんか？この口紅はそういうトラブルが起こりません。なぜなら、キャップにマグネットがついていて、キャップと本体がぴったりくっつく仕組みになっているんですよ。これなら、もうキャップが迷子になることはないでしょ？あと、成分にももちろんこだわっています。南アフリカのパラクレスという植物から採れる保湿効果の高い成分とビタミンE、オリーブオイルを配合しているので、口紅というよりは色つきのリップクリームのような感じですね。ミネラル成分も豊富で、メイクをしながらも健康な唇を保つことができますよ。

ーー新製品のリップペンシル「カラーデュオ」は、どんな商品ですか？

これは、片方はベージュ、もう片方は、赤という組み合わせになっています。リップラインに使ったり、唇全体に塗るとマットな口紅になったりと、1本でいろいろな使い方ができるんです。しかも、唇がぷっくりとボリュームアップする成分が入っているんです。通常のリッププランティング商品は、唇にちくちくとした刺激があるものが多いけれど、それがないんです。

ーー商品開発の中で、大切にしていることはありますか？

簡単、使いやすい、気持ちがいい、使い続けるためにはこの条件が大切だと思っています。私が作るアイテムは、どれもシンプルで使いやすく、マルチタスクなものが多いのが特徴ですね。世の中の女性は、毎日忙しく働く人が多いので、そういう方が、手早く簡単にきれいになれるよう考えて作っています。

ーースーザンさんにとって、“女性の美しさ”とはどんなものですか？

女性の美しさは、内面からにじみ出るものだと思っています。普段の生活でも、他人を批評したり、人と比べたり、ネガティブな考えをするのではなく、頭の中でもきれいになること、健康のことを考えて想像しながら過ごすことが大切です。もちろん、内面が大切だけど、外見がきれいになることで笑顔になり、心も明るくなるのは事実。だから、メイクを通して、笑顔になる女性がもっと増えてほしいと思います。

ーー今後は、どんな商品を増やしていきたいですか？


基本的にシンプルビューティをモットーにしているので、マルチでいろいろな効果、使い方ができる商品を作っていきたいと思います。そして、メイクアップ アーティストとして、メイクを楽しくしたり、ドキドキしたりできるものを展開していきたい。やっぱりパッケージもユニークで使いやすいものがいいですよね。世の中の女性は、忙しくて考えることがたくさんあるでしょ？だから、メイクに関することは私が考えて、みなさんができるだけ簡単にきれいになれるアイテムを作りたいと思っています。



開発者自身のさまざまな悩みや経験を生かし、使う側の目線で作られたアイテムは、スーザンさんの世の中の女性をもっときれいにしたいという想いが感じられるものばかり。仕上がりはもちろん、機能的かつユニークなパッケージデザインで、わくわくさせてくれる〈SUSAN POSNICK〉の今後の展開がますます楽しみです。