日本人の父、オランダ人の母を持つアムステルダム在住のアーティスト、桑原真理子さん。彼女の映像作品「青石・ブルーストーン」に登場する群馬県鬼石町おにしまちの石屋さんとの対話をもとに制作した作品集『石屋さん・ストーンディーラー』がリリース。同じくアムステルダムで活動する気鋭のデザイナー、若林亜希子さんの新鮮なデザインによって、日本の伝統文化を紹介する1冊ができました。

1960 年代から80 年代にかけて、庭石として使われる「三波石」という青石を売っていた鬼石町の8人の石屋さん。庭石ブームの終焉とともに「石屋」という生業もなくなりつつある現代、ある石屋さんは「自分の骨がなくなっても、『三波石』は末代守ってくれるから大丈夫だ」と話します。本書は、今では商業価値を失ってしまった石に対して、“それがどんなものであるのか”という独自の文化的価値を見出す彼らと桑原さんとの対話を収録。再びこの青石に焦点を当てることにより、1冊を通して、鬼石町で暮らす人々の生き様に触れることができるはずです。本書の出版を記念して、9月22日（木・祝）より「パールブックショップ&ギャラリー」にて映像作品「青石・ブルーストーン」の上映を、三波石や石にまつわる関連書籍の展示販売とともに行う展示「青石・ブルーストーン」、24日（土）18時〜は「シバウラハウス」にて刊行記念トークイベントを開催。是非、この貴重な機会に足を運んでみてください。