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「国際ガールズ・デー October 11<br>~六本木から世界の女の子を応援しよう~」

文:臼井のぞみ 協力:プラン・インターナショナル、イエローコーナー

REPORT

「国際ガールズ・デー October 11
~六本木から世界の女の子を応援しよう~」

 いま、人口76億人といわれる現代において、特に途上国では稼ぎ手として期待できないとされる女の子は、男の子よりも生き延びることさえ難しいという現実があります。たとえばパキスタンでは、1000人中94人が5歳の誕生日を迎えられないまま絶命。西アフリカにあるギニアビサウでは、中学校就学率が全体の約7パーセント。エチオピアでは、100人中74人が女性性器切除を受けています*¹。途上国の開発が進む一方で、地域や民族に伝わる慣習により差別され、教育や仕事、食糧、保健医療などが十分に得られずに傷つけられている女の子たちがいまだに大勢いるのです。2011年より国連は、世界中の女の子の権利を促進し、彼女たちが安心して暮らせる地域をつくるため、毎年10月11日を「国際ガールズ・デー」と制定。昨年の「国際ガールズ・デー」には、国際NGO「プラン・インターナショナル」(以下、プラン)が主体となって、大規模なプロモーションを開催し、活動に賛同する六本木エリアの企業とともにトークショーや写真展などを行いました。

*¹出典:ユニセフ世界子供白書2016、Female genital mutilation/cutting A Global Concern,2016 ユニセフ

Because I am a Girl

 アジア・アフリカ・中南米を中心に70カ国以上で貧困や差別のない社会を目指し支援活動を行っているプランは、2007年より「Because I am a Girl」というキャンペーンをスタート。"女の子だから"と差別され教育を受ける権利を奪われるのではなく、"女の子だからこそ"教育を受け、世界を変える力になってほしいと立ち上げたプロジェクトです。事の発端は2004年、あるドイツ人ジャーナリストがプランの支援活動を取材するために訪れたネパールの村で、ひとつの家族を訪問したときのこと。同じ家族内でも、男の子は制服を来て元気に学校へ通う一方で、女の子は十分な衣服も着せてもらえず、やせ細っていました。その理由を母親に尋ねると返ってきた答えは、「Because she is a girl(だってあの子は女の子だから)」。それがきっかけとなり生まれた「Because I am a Girl」は年々広がりをみせ、2011年の「国際ガールズ・デー」制定に大きく寄与しました。

問題に直面する女の子たち自身が、積極的に発信すること 

 2017年の「国際ガールズ・デー」に合わせて、プランは、ネパールからアスマ・バスネットさんとラージクマリ・チャウダリさん、2人の女の子を招致しました。2人はプランが支援する「ガールズ・リーダーシップ」のメンバーです。「ガールズ・リーダーシップ」とは、女の子が抱える問題を彼女たち自身で考え、解決していこうとするアクションのこと。2016年の「国際ガールズ・デー」には、ネパール全国から集まった40人の女の子たちが、女の子の生活改善のための意見書をまとめ、ネパールのバンダリ大統領に提出しました。2017年には、アスマさんとラージクマリさんが小池百合子東京都知事や都議会の議長・副議長、外務省を訪問したほか、玉川聖学院の学生たちに向けて講演を行い、ネパールに残る児童労働や貧困・女性差別の問題を訴えました。彼女たちはいま、どんな夢や希望を抱いているのでしょうか。(撮影:金井塚太郎(プラン・インターナショナル))

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▲ 左から、アスマ・バスネットさん(19歳)とラージクマリ・チャウダリさん(23歳)。

アスマさん 私は13歳のときに立ち上げた『子どもクラブ』で、児童労働を強いられる子どもたちを救う活動をしています。今回、日本の皆さんが熱心に話を聞いてくれたことと、スタッフの方々がこのイベントを全力で準備してくれたのが印象的でした。私も夢であるソーシャルワーカーになるには100パーセント努力しなくてはいけないのだと、改めて感じました。
ラージクマリさん 私は9歳から3年間、カムラリという住み込みの家事労働人でした。当時約1万4000人がいたカムラリ制度は2013年に廃止されましたが、今も300人ほどが働かされています。私はプランや地元NGOの教育支援を受けて保健所の看護補佐や事務の資格を取得できました。辛い経験を克服した身として、今後は医療保健分野で地域に貢献していきたいです。

個人の力が、大きな力に変わる時代

 イベント期間中は「バーニーズ ニューヨーク六本木店」にて「国際ガールズ・デー2017トークイベント Girl Possible〜女の子が変える未来〜」を開催。2015年よりキャンペーンの広報大使として「Because I am a Girl エンジェル」に就任し、プランとともに途上国を訪れ支援してきたモデルの森 星(もり ひかり)さんが登壇し、自身の体験を語ってくれました。

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森さん 最初は、2015年にベトナム北部の山岳地帯ハザンを訪れました。就任当時は正直、自分が現地に行くことで何ができるのかと悩んでいました。でも実際に行ってみると、現地の人にとって私は初めて出会う日本人であり、私の振る舞いによって日本の印象が左右されると気がついたとき、ひとりの力って実はすごく大きいのだと感じました。個人対個人が国対国に変わると思った瞬間です。ベトナムに続いて2016年にカンボジア、2017年にネパールを訪れましたが、現地での体験を重ねるごとに大きな学びがありました。それは、自分の今ある状況を当たり前に考えてはいけないということ。そして、常に目標やビジョンを持つことが大事だということです。貧しいからと悲観することなく明るい未来を描く彼らからは、逆に勇気をもらいました。私が実際に見て、体験して、感じたことを自分だけで完結するのではなく、多くの人に伝えるために、モデルという仕事を通して私にできる方法で発信していきたいです。

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▲ 当日は、ネパールから来日したアスマさん、ラージクマリさんもスピーチし、登壇後は初めて会う森さんと挨拶を交わしました。

六本木エリア各所でイベントを開催

 期間中、「バーニーズ ニューヨーク六本木店」でのトークイベントのほか、「イセタンサローネ」や「アマンド六本木店」など、六本木に拠点を持つ企業が関連イベントを同時開催しました。なかでも、アート写真を展示・販売する「イエローコーナー ショールーム&ショップ」では、写真展「Because I am a Girl〜森 星が出会った女の子たち in ベトナム、カンボジア、ネパール」を行うだけでなく、早すぎる結婚や住み込み労働の「カムラリ」、性的虐待など世界の女の子が直面する状況を、9カ国9人の女の子の実体験を基に描いた映画『Girl Rising 〜私が決める、私の未来』が特別上映されました。(撮影:加藤史人)

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▲ 会場には、ベトナム北部の山岳地帯ハザン、カンボジア北部の貧しい農村地帯シェムリアップ、そしてネパール中部のマクワンプールなど、森 星さんが訪れた各国の様子や、出会った女の子たちの写真を展示。それぞれの土地で希望を持って生きる女の子たちの姿が写し出されていました。

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▲ 映画上映前に、元カムラリのラージクマリさんが挨拶を行う様子。多くの人々が集まりました。

 6回目となった2017年の「国際ガールズ・デー」は、六本木各所のイベントを通して盛況のうちに幕を下ろしました。これをきっかけに、世界でいま起きている事実を知り、自分にできることを考えるようになった参加者も多いのではないでしょうか。ソーシャルネットワークの普及によって世界の情報に瞬時にアクセスすることも、自ら発信することも容易になった現代において、視野を少しでも外へ向けてみることが、世の中を変える大きな一歩に繫がるはずです。プランは、今年10月の「国際ガールズ・デー」でも、六本木地区の企業とともに世界の女の子を応援するさまざまなイベントを開催予定。ぜひチェックしてみてください。

INFORMATION

国際NGOプラン・インターナショナル/子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際 NGO。1937 年創立。政府機関や国際機関と連携しながら、すべての子どもたちの権利が守られるよう、とりわけ女の子や女性への支援に力を入れている。plan-international.jp