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養蜂家の少女と家族が過ごしたトスカーナの夏
カンヌ映画祭グランプリ受賞作『夏をゆく人々』
昨年、フランスで行われた第67回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞し、注目を集める若手イタリア人女性監督、アリーチェ・ロルヴァケルの長編映画『夏をゆく人々』が8月22日(土)より公開します。イタリア中部で養蜂を営む家庭に生まれ育った監督自身の半生を辿る本作は、養蜂家の娘として育てられたひとりの少女と家族が過ごしたひと夏の物語。
舞台は、イタリア中部、古代エトルリア遺跡がいまなお多く残される自然豊かなトスカーナの州境のエリア。養蜂家の長女である主人公・ジェルソミーナの家族は、3人のやんちゃな妹とやさしく寛大な母親、野性的で頑固な父親、そして、家族に身を寄せる女性、ココ。一家に男兄弟がいないことから息子のようにジェルミソーナを寵愛する父親は、不器用で荒々しい愛情表現の中で娘にハチミツづくりを教えます。その一方で、養蜂だけでない、外の世界に憧れを抱くジェルミソーナは、ある日、テレビ番組「ふしぎの国」に出演する女神のように煌びやかな容姿の司会者・ミリーに心奪われ、父親に内緒で「ふしぎの国」番組内で行われる家族コンテストに応募をするが......。物語は、ジェルミソーナの初々しい心境の変化を細やかに捉えながら、一家との絆が描かれています。
どこまでも広がるトスカーナの草原と湖、放牧する羊の群れ、庭に置かれた1台のベッド、そして、1匹のラクダ。スクリーンに映し出される、羨むような自然の美しさと、どこか幻想的な世界観に心惹かれるだけでなく、田舎で生計を立てる一家のリアルな生活風景や成長の過程で直面する親子の葛藤にも触れられるなど、リアリティを含んだ社会派ドラマです。夏が終わる前に、是非、劇場へ足を運んでみてください。
INFORMATION
夏をゆく人々
監督・脚本: | アリーチェ・ロルヴァケル |
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出演: | マリア・アレクサンドラ・ルング、サム・ルーウィック、アルバ・ロルヴァケル、ザビーネ・ティモテオ、モニカ・ベルッチ |
配給: | ハーク |
WEB: | natsu-yuku.jp |
8月22日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー