山田あかね監督が4年に渡り取材した、犬にまつわる200時間を越えるドキュメンタリー映像をベースに、主人公に小林聡美さんを迎えてのストーリーが加えられた新しいタイプのドキュメンタリー映画『犬に名前をつける日』が10月31日（土）より公開。本作は、名前のない犬たちと、動物が生きる現場に身を置く人々の気持ちをリアルに描いた作品です。

「はじまりは、むっちゃんとの出会いでした」と、本作主演を務める小林聡美さん。監督が撮りためた映像から生まれた、福島の原発20キロ圏内で救い出された1頭の犬・むっちゃんに焦点をあてたドキュメンタリー『むっちゃんの幸せ』は、放送されるやいなや大反響を呼んだテレビドラマです。その中で保護犬・むっちゃんの声を担当した小林聡美さんは、目の前に映し出された犬と犬を救おうとする人々の姿に感銘を受け、映画『犬に名前をつける日』への出演を決意することに。

本作のストーリーは、愛犬を病気で亡くし傷心する主人公・久野かなみ（小林聡美）が、大先輩の映画監督の勧めで、"犬の命"をテーマにした映画製作に取り掛かるところから始まります。犬についての取材を進めていく中で、「動物愛護センター」で殺処分を迎える犬や、東日本大震災直後、荒涼とした福島の原発20キロ圏内に取り残された犬や猫などを目の当たりにし、ショックを隠せないかなみ。しかし、そんな過酷な状況から1頭でも多くの命を救おうと活動する人々との出会いが彼女の心を深く揺さぶります。千葉を中心に「動物愛護センター」に持ち込まれた犬や猫の里親捜しをする保護団体「ちばわん」や、広島に本拠地を置き、1000頭以上の犬と猫を保護する「犬猫みなしご救援隊」。どんな状況であろうと、生きるものの命を守ろうとする彼らの真撃な姿勢には、その活動を間近に触れた主人公だけでなく、この映画を観る私たちも強く励まされるはずです。愛犬・愛猫をお持ちの方も、そうでない方も、これからの動物とのつき合い方について再確認をしてみてはいかがでしょうか。