vol.03スープ
文:岡尾美代子
ロゴ:しまおまほ
「SMALLEST SOUP FACTORY(世界で1番小さなスープ工場)」という、チャーミングな名前のスープメーカーをご存知だろうか。オランダ人のミシェル・ヤンセン氏が始めた“小さなスープ工場”。ここでは、丁寧に時間をかけて“コトコト”と煮込んだスープを製造し、びんに詰め販売をしている。材料は信頼できる地元の農家やサプライヤーから取り寄せる100%オーガニックのもの。もちろん保存料も使っていない(でも賞味期限は未開封でなんと4年間、わおっ)。
スープ。この言葉に、温かさや、ホッとした気持ちを感じるのは私だけではないんじゃないかな。疲れているときや、何だか元気の出ないときに、温かなスープはお薬よりも効果があるような気がする。本当はお母さんや恋人が作ってくれたもののほうがいいのかもしれないけれど、“小さなスープ工場”のスープもそんな愛情が込められたアットホームな味がする。
公式HPによるとミシェル氏が心がけていることは「たっぷりと時間をかけてスープを作ること」なのだそう。大量生産の食品が作られる時に省かれがちなことを大切にして(たとえばじっくり時間をかけて飴色になるまで玉ねぎを炒めたり)、家で作るのと同じように心を込めて作っているのだとか。
今回紹介する 「Pure Tomato Soup」は、裏ごししたトマトの口当たりがなめらかで、まるでトマトジュースを飲んでいるような感覚のスープだ。ラベルの説明書きには〝オランダでもっとも有名な料理評論家ヨハネス・ファン・ダム氏とのコラボレーション〟と書かれてある。そうそう、このスープは濃縮タイプで、びんの半分~1杯分の水で薄めて、温めて仕上げるようになっている(水をはかる時にびんに蓋をしてシャカシャカとシェイクすると、中に残ったスープも使いきれるし、びんもきれいになって一石二鳥)。水加減にもよるかもだけれど、塩気が気になる人は、プチトマトやサワークリームを足したり、少しアレンジして食べてもいいかもしれない。
忙しい時の緊急ゴハンとして、もしくは何もしたくない時の助っ人として、もちろん普通の日にも、お腹とおいしいものを欲する心のために台所にストックしておきたくなるスープだ。
問い合わせ:The Tastemakers & Co. TEL.03-5428-1566
thesmallestsoupfactory.com
おかお・みよこ/ネコ大好き。スタイリスト。日々“かわいい”を探して街を放浪しています。(自分のなかでは『母をたずねて三千里』のマルコのイメージで、強風のなかを歩いています)。鎌倉で友人の馬詰佳香と一緒に「ロング・トラック・フーズ」という小さなデリのお店もやっています。毎月「びん詰めプロジェクト」というフレーバーオイルを販売して、売り上げを東北大震災の支援金にするプロジェクトを行っています。