文:中野由佳
REPORT
本が繋げる、新しい日韓交流
ブックカフェ『CHEKCCORI(チェッコリ)』[前編]
世界屈指の本の街・神保町。古書店が並ぶ新宿通り沿いのビルに、今年7月に誕生したブックカフェ『CHEKCCORI(チェッコリ)』。15坪ほどのスペースには、韓国語の小説やエッセイ、絵本、児童書、漫画など、韓国の原書や日本語の韓国関連本を幅広く取り揃えています。
運営は、2010年から『新しい文学シリーズ』を中心に韓国語書籍の翻訳出版を手がけてきた株式会社クオン。代表のキム・スンボクさんは韓国生まれで、日本の大学を卒業後、広告代理店勤務を経て、2007年にクオンを設立しました。「出版業界は伝統的で入りにくいところもあるので、最初は日本や韓国の出版社に有望な作家を紹介するエージェント業務を行いました。出版活動を始めたのはその3年後。やってみたらそこまで難しいことじゃなかった。"本をつくる"仕事を経験し、次にやりたいこととして、"本を売る"ことに興味が出ました。私は書籍だけが"本"だとは思わない。私たちは日頃から色々なものを読んで感じとっていますよね。1時間のトークイベントに参加したら、それも1冊の本を読むのと同じくらい充実した体験だと思います」と語るスンボクさん。ただ本を売るだけでなく、"人が集まる"様々な工夫がなされているのも『CHEKCCORI』の魅力です。
自分の部屋の様に寛げる店内では、柚子茶や水晶菓などの韓国茶や伝統菓子を日替わりで販売。日韓の作家を招いての朗読会やミュージシャンによるライブなどの主催イベントをはじめ、今後は韓国語勉強会のスペースレンタルにも応じる予定です。
旅行、建築、美術、料理の専門書や漫画や絵本など、これまで日本ではなかなか手にすることのできなかった韓国原書やウィットに富んだ雑貨コーナーにも注目。後編では、『CHEKCCORI』を運営する出版社「クオン」の書籍をご紹介します。
※[後編]は、こちらから
INFORMATION
CHEKCCORI(チェッコリ)
住所: | 東京都千代田区神田神保町1-7-3 三光堂ビル3F |
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営業時間: | 12:00〜20:00 |
TEL: | 03-5244-5425 |
定休日: | 日曜・月曜 |
WEB: | facebook.com/chekccori |