映画『月曜日に乾杯！』は2002年のベルリン国際映画祭で、名誉ある監督賞である銀熊賞を受賞。日本でも多くのファンを持つ御年81歳の名匠、オタール・イオセリアーニ監督の最新作『皆さま、ごきげんよう』が今週末12月17日（土）より公開されます。主演を務めるのは『アメリ』で主人公の父親役を演じた名優、リュファス。そのほかにも、イオセリアーニ監督作品の常連、アミラン・アミラナシュヴィリをはじめ、イラストレーターや写真家、コメディアンなど多方面で才能を見せるピエール・エテックス、ハリウッドでも活躍するマチュー・アマルリックなど、豪華キャストに注目です。

物語は、フランス革命下の処刑台や、とある戦渦の一場面から始まります。いつの時代も人間の欲望によって絶えず繰り返される争いや略奪。その中で人々は、恋人や家族への愛情、友情、未来への希望を持ち続けてきました。そして舞台は現代のパリの街角へ。混沌とした現代社会においてもささやかな幸せを見出し奮闘する人々の様子を、イオセリアーニ監督独特のセンスでユーモラスに描いていきます。アパートの管理人にして武器商人という謎の肩書きを持つ男と、骸骨集めが趣味の人類学者。そんな腐れ縁の悪友2人を取り巻くのは、3人の強盗団や覗きが趣味の警察署長、野原に黙々と家を建てる男、没落貴族、気ままに暮らすホームレス......。個性的な登場人物が繰り広げるおかしなエピソードの数々がバトンのように連なり、なんでもない毎日の幸せに気づくことこそが豊かな人生を送る秘訣だと物語ります。