年の瀬へと向かうにつれ、紅葉が街を彩り、和の心をとりもどす時間を与えてくれるようになりました。秋の景色を表現した美しい和菓子をいただくと、季節の移ろいや職人の巧みな手仕事をまじまじと目にすることができ、さらに幸せな時間をもたらしてくれます。そんな晩秋を過ごしながら、お知らせです。12月1日（月）にecocolo 68号を発売します。

特集のテーマは「クラフト・ワーク」。木工や器、テキスタイルなど、さまざまなフィールドのつくり手に出会い、彼らの逞しいクラフトマンシップを紹介しています。「クラフト」と聞くと、「手仕事」というイメージを持つ人もいるかと思いますが、本特集で登場するのは、必ずしも手作業のみで生み出されたものではありません。大量生産される画一的なものではなく、人の手が加わっているもの。地域の自然と生活とを媒介させるもの。持続可能な方法を探っているもの。遺すべき技術を受け継いだもの。そうした確かな手触りのあるものと、この一冊を通して出合っていただけると嬉しいです。

私たち一人ひとりが、どんなものに囲まれ、どう暮らしていくかが、これからの未来を形づくっていく。新しく迎える年が、皆さんにとって幸せでありますように。