工藤キキの貧乏サヴァラン

  • vol.15キキちゃん、心の洗濯は320円

    「魔利が小説を書く目的は何かというと、自分の中に書きたいものがあるなぞと、意味ありげに言ったが、全くのところはそれは馬鹿げたものである。つまりいきな、野暮ではない感覚、きれいで、凄
  • vol.14キキ、 中年の主張

    「----マリアはbuffetという英語を立ち食いだと理解した瞬間から、力を落としていた。立食形式というのは、(自分の分け前がなくて、取れればいくらでも取れるが、そうもいかない)と
  • vol.13ならずもの集まれ。キキのROGUE SALAD BAR

    「その時魔利の状態は乞食の一歩手前に来ていたので、その日から、生きなくてはならないという切実な問題を背負って、鉛筆を握りしめ、書けないものを無理に書いた。鉛筆を強く握ったのは、強く
  • vol.12爪に火を灯すキキの爪は薔薇色

    「皮膚にふれる水(又は風呂の湯)をよろこび、下着やタオルを楽しみ、朝起きてをあけると、なにがうれしいのかわからないがうれしい。歌いたくなる。髪をいていると楽しい。卵をゆでると、銀色
  • vol.11Let us eat them before they sucks us dry!

    「しかし私は思った。もうこの二切れは私の分である。誰もきっと手を出さないだろうと。この場合他の人々がその刺身を私のために取っておいて、箸を延ばさないと思うのはこれは常識である。そこ